いくら自分が好きでも世間では人気の無いことを実感した話

Jan 8, 2020

ギターを弾くのが好きで、もう随分続けています。とはいえ、全然上手くないし、上手くなる気配が一向にない。一生下手の横好きなんじゃないかと思っているけれど、まぁ、それはそれでいいかと最近開き直るようになってきた。

しかし、一つだけ気に入らないことがありまして。お気に入りのブーツカットのジーンズが入らなくなったのだ。ヤバい。

私の愛機はフェンダーのストラトキャスターなのですが、ギターとセットでこういう細身のブーツカットの似合う姿に憧れていたわけです。ギターを抱えた時にCharみたいな感じというか。なんだかこう、問答無用でカッコいいじゃないですか。

思えば、10代の頃に「わぁ〜、カッコいいなぁ」と憧れたギタリストたちは皆細くてブーツカットがよく似合う。たとえば、ヌーノ・ベッテンコートとか。

そうそう、スティーヴ・ヴァイもそうですね。

久しぶりに動画を観たけれど、相変わらず上手い。そして、カッコいい。

それに引き換え自分はどうだ、しばらく履いていなかったお気に入りのブーツカットに足を通してみたら太ももがパツパツでしゃがめなくなってしまったじゃないか。カッコ悪い。情けないほどカッコ悪い。あーあ、どうしてこうなった。

理由は単純明快で、「毎日お酒飲んでいて常にむくんでるから」。もうこれ以外考えられない。体重自体はほとんど変わっていないので犯人はお酒に違いない。背に腹は代えられないし、禁酒は無理でも節酒はしないと。休肝日を作ろう。

出来るのか?

いや、やるしかないだろう。

・・・と思った瞬間、別のことも頭によぎるわけです。

飲める体でいられるようにすればいいんだ!

そうだ、まずは運動だ!ということで、最近クロスバイクによく乗るようになりました。寒いし風も冷たいけれど、ここは飲める体とブーツカットの履ける体の為だ、頑張ろう。原因から目をそらしているような気がしないでもないが、まぁ、いいや。

閑話休題。

そんなことを年末年始にかけて思ったのだけれども、別の大きな問題があることに気がついて途方に暮れているのです。とある大きな商業施設を隅から隅まで巡って分かったことがあります。どのお店に行ってもブーツカットのジーンズが売られていないのです。スキニーやテーパード、スリムといったデザインのものが多く、ワイドはごく僅か。ベルボトムはおろか、ブーツカットは何軒回ってみても全然見当たらなかった。はぁ〜、と溜息が出てしまう。私は21世紀の世の中において絶滅危惧種ってことなのだろうか、、、。

ジーンズだけでなくファッション一般の売れ方は流行にかなり影響を受ける。POSデータや業界動向を考慮して人気のものを集中的に製造・在庫するわけです。で、なるべく短い期間で売り切って次のトレンドにアジャストしていく。ある程度販売を見込める形で仕掛けていくことが出来るからビジネスとしてはアリだと思いますし、世の流れだけでなく競合他社の強み・弱みと自社の能力やリソースを比較しながらポジショニングを検討していくことも出来るでしょう。

POSは素晴らしいが、時として非情だ。上記の過程の中で「一個人としては非常に好きだし絶対にカッコいいと思っていても今世間からは求められていないもの」というものが浮かび上がってくるわけです。おそらくブーツカットのジーンズはその一つでしょう。人気が無いと証明されているものは売れないから作らない。とにもかくにもそういうことなのだ。

ふと思ったのです。ビールも似てるなぁ、と。

最近クラフトビール専門のパブにはIPAをはじめとするホッピーなビールがたくさんあるけれども、欧州のクラシックな緩いモルティなお酒、たとえばベストビターやダークマイルドは全く見かけない。非常にパブらしいビールだと思うので各店舗にドラフトで1つくらいはあってほしいのですが、なかなかそうもいかないようです。こういったゆるゆるとしていてダラダラ飲めるビールって素敵だと思うし、何より量が飲めるからとても好きなのですが。困ったものだ。

パブの現場でベストビターやダークマイルドのようなお酒が人気ではないのは肌感覚で分かるけれども、上記POSデータのような客観的なものではない。もしかしたら「飲めないから飲み手が認知出来ず、その結果としてそもそも需要が喚起できていない」ということなのかもしれない。私は感覚的な人間だから現場の肌感覚を決して否定しないけれど、感覚の答え合わせとして客観的データは欲しいなぁと思うのです。そうしたら「人気の理由」も分かるだろうし、逆に人気のないことが証明されたら「どうアプローチしたら認知されるかのヒント」にもなってくれるのではないかと考えるのです。

そうは言っても「ブーツカット履こうぜ!ダークマイルド飲もうぜ!」と闇雲に叫んだところで「知らんがな」と言われておしまいです。いくら自分が好きでも世間では人気の無いものがあることを実感しつつ、それを受け止めた上でマイナーだけれど素敵なモノが絶滅しないように自分に出来ることがないか一生懸命考えようと思うこの頃なのでした。

さてさて、そんなこんなで体改造計画をゆっくりと継続しているわけですが、よくよく考えてみると本当にお酒が原因なのかもはっきりしていない。状況証拠から考えるに犯人にほぼ間違いないけれど、本当にそうなのか?うーん、困った。そんな感じでモヤモヤしていてら先日たまたまサイズの合うブーツカットのジーンズを発見し思わず買ってしまった。着心地も悪くないし、見た目もまぁ気に入らないこともないのだけれど、一点心残りがある。ストレッチ素材に手を出してしまったのだ。ジーンズというものはヘビーオンスのザラザラゴツゴツしていて伸びたりしない厚手の生地であるべきだと信じてやまないところがあったので何だか「逃げた」ような気がしてちょっとバツの悪い気がした。現状では最適解なのだろうけれど、なんだか悔しいな。



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