Independent Media問題 2019.2.9追記あり
皆さま、是非これを読んで下さい。特にクラフトビール関係者の方にはお目通し頂きたいです。BAもクラフトブルルワリーに”independent”であることを定義の1つにしているくらいですから、重要なお話だと思います。
Editor’s Note: Independent Craft Beer Needs Independent Media
これはクラフトビールに限らないことではありますが、Independent Media問題は今後話題になると思います。当該の文章ではクラフトブルワリーではない大手が自前で運営しているメディアのことを挙げていたりして大分大きなお話をしているようですが、私たちにとっても他人事ではないでしょう。もちろん日本ではまだそこまでの規模感は無いけれども。
紙の雑誌やwebサイトもそうですが、タダでは運営できません。当たり前ですけれど。そこで広告を掲載するわけですが、単にサイドバーにバナーを貼ったりするだけではなくて、広告記事もたくさんあります。”PR”とか”AD”と記事にあれば良いですが、業界のガイドラインがまだ緩いようで誠意のない書き手、発信者が散見されます。
私どもCRAFT DRINKSにも「新商品の紹介をしてください」とメールが送られてくることもあります。それ自体は百歩譲って構わないのですが、飲んだこともないものについては何も書けません。商品概要のプレスリリースを転載するだけなら他を当たって頂いた方が宜しいかと思います。もっとふさわしい媒体があるはずです。また、飲んでもいないものを適当に書いてご紹介してそれを飲んだ方ががっかりさせるようでは全く意味がありません。CRAFT DRINKSは薄っぺらな提灯記事を書いて自分の首を絞めるようなことは絶対にしないと決めています。普段読んでくださっている皆さまに対する背信行為になりますから。
ちなみに、飲んだとしても自らの感想を曲げるつもりも全くありません。それが私どもにとって真実なのだから嘘をついて褒めちぎったりもしません。但し、本当に美味かったら何がなんでも担ぎます。全力でサポートします。美味しいは万人共通の幸せだと心の底から信じているのです。
難しいのは、自分というフィルターを通して全てを判断するので必ずいくらかのバイアスがかかることです。公平性を担保しようにも100%は絶対に無い。そこをどう考えて行動するかが非常に重要になると考えます。
日本におけるクラフトビールにジャーナリズムは存在するのだろうか?とふと思うことがあります。レガシーメディアの限界をビール産業においては強く感じる今日このごろです。SNSやブログ全盛の今、一億総表現者であり個人単位でのそういう動きの方が価値があるのかもしれませんね。もちろん一概には言えませんけれど。今は混沌として状態で、定着するのかまた廃れてしまうのかの瀬戸際にいるような気がしてなりません。
2019.2.9追記
この記事を是非ご覧頂きたい。
ZX Ventures Fully Acquires RateBeer
2017年、AB Inbev系ファンドであるZX Venturesが世界最大級のクラフトビールレーティングサイトであるratebeerに一部出資をしました。その当時も界隈では相当意見が出ていたのですが、今回「完全に」ratebeerがZX Venturesの傘下に入りました。ratebeerの網羅性や有用性は疑いようもなく、非常に便利なサイトであることは間違いありません。しかしながら、それが世界一大きなビール会社であるAB Inbevのものになったと聞くと何だか色々と余計なことを考えてしまいます。同じように考える人もいるようで、「自社にとって都合の良いようにするんじゃないの?」とか、「ライバル会社のビールは調べにくくしたりしちゃうんじゃ・・・」などと憶測が飛んでいます。ビール会社が、特に世界最大手が直接運営しちゃうというのはちょっとなぁ・・・と思わなくもありません。まぁ、李下に冠を正さずという諺がありますし、サードパーティが中立的に運営した方が消費者、利用者に対する透明性が担保されるような気がするのです。世界中で恐ろしい金額が動くビール産業だからこそ、Independent Media問題はここ日本でも議論に値するポイントではないかと思います。