IPAが嫌いな10の理由+もう1つ

Oct 18, 2017

Craft beer & brewing magazineにIf You Don’t Like IPAs, There’s a Reason Why. Here’s 10.という面白い記事が載っていました。ざっくり言えば「IPAが嫌いな10の理由」にでもなるでしょうか。そう言えば、IPAが好きではない方が結構いらっしゃいますよね。周りを見回しても何人か思い当たります。こちらはとても平易な文章で大事なポイントに触れていたのでご紹介したいと思います。

各項目の細かい内容については原文に当たって頂くとして、順不同にポイントを拾ってみます。まずは日本人にとってはちょっと特殊だと思われる例。

2. They’re filling – i.e: you can’t drink 20 of them.(開封後すぐに劣化してくるし、幾つも開けてしまうとよく分からなくなってしまう)

ビールの持ち寄り会などを開催すれば20種類を一気に開けてガンガン飲むことはあるかもしれませんが、通常日本人はそこまで肝臓が強くないと思うのでこういうシチュエーションはあまり無いのではないかと思います。まぁ、適正な量をゆっくり愉しみましょう。

3. You’re running (with Double IPAs) before you walk (with lower ABV IPAs).(初めから高アルコールのものに手を出す)
4. The residual sugar or high ABV left you with a terrible hangover.(翌日二日酔いになる)

DIPA、IIPAなど高アルコールのIPAはバランスを取るためにモルトのボディもしっかりしています。それ故、しっかり酔うし次に軽いものを飲んだ時には水っぽく感じる可能性も。やはりちゃんと味わうのならば「軽いもの→重いもの」という順番で行くほうが良いと思います。
二日酔いのことは・・・IPAどうこうの話ではないですね。それぞれの体質や体調に合わせてうまいことやってください(笑)

9. You have an allergy to plants and show sensitivity to hops oils.(ホップアレルギーがある)

ホップに反応するアレルギーがあるなんて知りませんでした!!うーん、とはいえ、こういう人はIPAに限らずビール全般がダメだと思いますが・・・。

8. Your first IPA experience was from an oxidized growler.(グラウラーに酸素が入っていて酸化している)

これもアメリカらしい理由だなぁと思うのですが、ビール持ち帰り用容器のグラウラーやその缶バージョンのクラウラーが結構普及しています。それらはその場で詰めるので充填時に空気が混じってしまうことが多々あり、それが劣化の原因になります。たとえば、youtubeにクラウラーの充填風景を撮影した動画があったので御覧ください。

下記の動画のように、充填前に空気を缶の中から追い出すパージ作業があった方が良いです。

6. You’re drinking/serving them in the wrong environment.(保存、飲用の条件が整っていない)
7. Freshness Matters.(フレッシュで無くなっている)

購入する以前に流通過程で熱が入っていたり、光にさらされていたりすれば劣化して本来の味わいではなくなっています。また、ホップのフレシュさが重要なだけに詰めてから日数が経っているものもやはりホップの成分が減退して本来の姿でなくなっている可能性が高いです。購入する前に流通過程がどうなのかをちゃんと確認することをオススメします。
また、飲む時に冷たすぎても温すぎてもポテンシャルが引き出せません。きれいなグラスで適切な温度で飲みましょう。

ここまではおまけみたいなもので、実はここからが本番。ビール自体についての重要な指摘です。

1. “They’re too bitter/ They’re too sweet.”(苦すぎる、もしくは甘すぎる)
5. You think they’re a bad showcase of brewing ability simply because everyone is making them.(へっぽこIPAばかり飲んでいて、本当に美味しいものを飲んでいない)
10. You haven’t tried enough IPAs to know you hate them.(本当に嫌いなのか分かるほど回数を重ねていない)

IPAはもちろんホップフォワードなお酒なのでホップがしっかり効いていて然るべきなのですが、ホップによる苦味とモルトによる甘みのバランスが極めて重要です。どちらに傾いても感動するほど美味しいものにはなりません。ブルワリーの腕と美学が垣間見える部分ですね。
仮に劣化していなくても作りやバランスが元々良くないIPAであれば当然美味しくはないので、「IPAってこんなもんなのかねぇ、いまいち飲み進まないなぁ・・・」と感じてしまいます。
そして、それを何度か繰り返しているうちに「あぁ、IPAか。どれもえぐくてマズかったし、もうイイや。」となってしまう。良くないサイクルだ・・・でも実際には日本ではこういう悪いサイクルが現在進行形で進んでいるような気がしてなりません。

前半はとりあえず置いておくとして、後半は重要な指摘であったと思います。IPAのみならず、ビール自体を嫌いになってしまうきっかけをブルワリー、酒販店、ビアパブが自ら作り出すようではいけません。せっかくIPAを筆頭にクラフトビールに注目が集まっているのですから、クラフトビールって面白いし美味しいねと言って頂けるように各レイヤーですべきことをちゃんと行いたいものです。

さて、こちらでは10個ポイントを挙げていますが、CRAFT DRINKSとしてはもう1つ付け加えたいと思っています。

11.大抵のIPAが「苦い」のではなくて「渋くてエグい」

実際に醸造しているブルワーの方も勘違いしているのではないかと疑うくらい、「苦い」と表現されているのに「渋い」ものが多い。クリーンに苦いものは心地よさがあるのですが、渋いものは口の両脇がイガイガする感じで口がキュッとなります。ご経験のある方も多いのではないでしょうか。渋くてエグいものは不快で飲み進まない。そういうものが多すぎて「IPA=苦いだけでなく、渋くてやたらにエグいもの」という図式が出来上がってしまいそうだから怖いのです。「苦い」ことと「渋い」ことは全然違うと思いますし、その視点で味わってみるとクリーンなIPAが分かりやすくなると経験上思います。

上記の悪い流れを断ち切るのはシンプルにこうするしかないと思います。

①ブルワリーはバランスの良い美味しいIPAを醸す
②酒販店やビアパブはへっぽこIPAを仕入れず、ちゃんと出来の良いものを扱ってなるべくフレッシュな状態で提供する
③飲み手は腕のある醸造所の状態の良いものを選んで飲む

シンプルだけれど難しいことばかりになってしまいました・・・大人の事情で色々と小難しい事柄がビール界隈にはたくさんあるので一筋縄では行きませんが、少しでも改善していけるようにCRAFT DRINKSも精進してまいります。

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