海外のクラフトブルワリーはここが凄い!

いやぁ、凄い。太っ腹過ぎる。

何のことかと言いますと、アメリカのクラフトブルワリーが自社製品のクローンレシピと原料を詰め合わせにした自家醸造キットを販売しているのです。自家醸造が合法のアメリカですから、買って飲むだけでなく自分自身でビールを作ってみることが可能です。それも、プロのレシピを自宅で再現出来てしまうなんて・・・20L仕込みのキットが35ドル。およそ4000円くらいですね、安い!

TWO HEARTED ALE CLONE ALL GRAIN INGREDIENT KIT

このキットはBell’s Brewery(ベルズブルワリー)から販売されているのですが、銘柄はTwo Hearted Aleという極めて評価の高いIPA。Ratebeerでは100点AHA(American Homebrewers Association、アメリカのホームブルワーが加盟する組合)の投票では2017年堂々の第一位。渡米した際に私も飲んだことがあるのですが、しっかり苦くてキレがあるのに全く渋くない素晴らしいIPAでした。もちろん機材の違いもあって全く同じものは作ることは難しいでしょうが、趣味のアマチュア醸造家や未来の醸造家たちに向けて惜しげもなくレシピを公開していくスタンスは素晴らしいと思います。

レシピの公開という意味では、スコットランドのBREWDOGも自社HPでレシピ本がダウンロード出来るようにしています

デンマークのミッケラーもレシピを掲載した本を出しています。ハードカバー版とKindle版、どちらもあります。

ブルワリーなので出来上がったビールによって評価すべきなのでしょうが、このような姿勢には好感を持ちますよね。クラフトビールの民主化というか、オープンソース化というか。ビール産業の持続的発展を見据えた行為なのだと思います。

クラフトビールは作り手と飲み手の距離が近いと言われますが、それは物理的に一緒に飲めたり会えたりすることではなくて、もしかしたら立場が違っても同じ文法で話し理解し合えることを指すのではないでしょうか?ふとそんなことを思いました。