たまたま麦で出来ているおいしい液体
世界的に酸っぱいビール、サワーエールが流行しています。特にランビックの人気は異常なほどです。あの美味しさに世界中が気がついてしまったと考えれば、まぁ当然なのですが。
ホッピーなビールが全盛を極め、その勢いはまだまだ続くと思いますが、IPAからサワーエールへ移行するにはどうしたら良いのだろうか?とプロの方から相談されたこともありました。うーん・・・と私は考えこんでしまったのです。全く違う方向性のものですから、段階的に・・・という話でもないような気がするのです。
ランビックに関して言うと、最近ワインのプロフェッショナルであるソムリエの方々にすこぶる評判が良い。特にヴァン・ナチュールと呼ばれる自然派ワインを好む方々との親和性は高いように思われます。ぶどうに主眼がありつつも、多数の共通点を持ったランビックは彼らにとって「たまたま麦で出来ているおいしい液体」としてすんなり受け入れられるものなのでしょう。
私個人の場合、移行せずにそのまま楽しんでいて、違和感は何一つ無いのです。実際のところ、クラフトビールを「ビール」とは捉えていないからです。クロスオーバーだからこそ、定義を厳密にすればするほど窮屈になったり矛盾が生じたりするので、「たまたま麦で出来ているおいしい液体」くらいの緩い感じで捉えています。その中に苦くておいしいものもあれば、酸っぱくておいしいものもあるし、甘くておいしいのもある、くらいの認識です。
あ、これおいしいね。へぇ、麦で出来ているんだ。じゃ、一応ビールってことか。ビールって色々あるんだね、面白いなぁ。
という感じで良いと思うわけです。ビールという概念を自ら壊すのがクラフトビールであって、ビールありきで捉えようとすると不都合が生じるような気がしてならない。柔らかい頭でいたいなぁと思う今日このごろなのでした。
ということで、先日テキーラをソーダ割りにして飲みました。レモンを絞ると爽やかで夏にぴったりの飲み物となりました。これを「メキシカンレモンサワー」(笑)と名づけましたが、「たまたまサボテンで出来ているおいしい液体」もやっぱり良いものだなぁと再確認するのです。