“craft beer”と”クラフトビール” 2015年はエール元年

2015年ももうすぐ終わりを迎えます。ビールシーンにおいては本当に色々あった一年でした。振り返って見ると、2015年は「エール元年」と言って良いのではないか、と思います。

今までコンビニやスーパーの棚にこれほどエール(上面発酵ビール)が並ぶことはありませんでした。下面発酵ビールであるピルスナー一辺倒だった大手各社のラインナップはがらっと変わり、ペールエールやブラウンなどそれまで無かったキャラクターのものが一気に増えました。ほんの少し前まで考えられなかった状況です。

大手のエールが「クラフトビール」なのかは一先ず置いておいて、ホップのキャラクターを前面に出したもの、高アルコールのもの、パンプキンエールなどの今まで有り得なかった特殊なものが出回るようになったことはシーンにおいて一つの進歩だと思います。世界の流れを受けながら、日本人のビールに対する嗜好が少しずつ変化してきている証拠です。今後この展開はますます加速していくと予想します。

大きな変化に見えますが、まだまだ大手は本気を出していないと思われます。今はエールに対する消費者の反応を見ている段階で、データを蓄積しているのでしょう。彼らの研究能力、分析能力、製造能力からすればもっと色んなことが出来るはずです。最大の結果を残せるであろう、最良のタイミングを窺っていると考えるのが正しいと思います。

コンビニやスーパーの棚は缶のエールで埋まりました。物流・商流を掌握している大手に対抗して中小の醸造所がこれから棚に割って入ることは厳しいを言わざるを得ません。これからどのような動きになっていくか、非常に興味があります。

・・・こんなことは他のブログにもよく書いてあって、特段新しいことでもありません。
私が個人的に注目しているのは「先にクラフトビールがブレイクした国々はどうだったか?」という歴史です。先行する国々の歴史を考察することで見えてくることもあると思います。その意味で2015年は日本がやっとスタートラインに立ったという段階なのかもしれません。