“craft beer”と”クラフトビール” ナノブルワリー(nanobrewery)のこと

Dec 3, 2015

以前の投稿でマイクロブルワリー(microbrewery)についてご紹介しました。簡単に言うと、マイクロブルワリーとは「年間生産量が15000バレル(約1750kl)以下で、その75%以上が外部への販売となっている醸造所」のことです。アメリカや世界のクラフトビルシーンではこの大きさでも「小さい醸造所」という扱いになるというのは面白い。

マイクロよりも更に小さい醸造所を指す言葉に「ナノブルワリー(nanobrewery)」というものがあります。クラフトビールが産業として非常に大きくなっており、ブルワーズアソシエーションの記事によると2015年12月2日の発表では全米に4144箇所もの醸造所があるそうです。その多くは非常に小規模なもので、ナノブルワリーも多数含まれます。

wikipediaの”microbrewery”の項目を見るとナノブルワリーに関する記述があります。引用してみましょう。

Nanobrewery
The website The Food Section defines a “nanobrewery” as “a scaled-down microbrewery, often run by a solo entrepreneur, that produces beer in small batches”.[7] The U.S. Department of the Treasury defines nanobreweries as “very small brewery operations” that produce beer for sale.[8]

この説明では、「マイクロブルワリーよりも更に規模の小さな醸造所。しばしばオーナー一人で運営しており、一回の仕込み量も非常に少ない。」としています。政府機関へのリンクがあるのですが、リンク先には既にその情報がありません。変わってしまったのですね・・・法的な裏付けが欲しくて色々と調べていたのですが、ここで頓挫してしまいました。うーん。もう少し頑張ってみます。

実は当のアメリカの方達も同じように困惑しているようです。americancraftbeer.comの記事にその曖昧さ、微妙さが書かれていますので、少し見てみましょう。

the definition of a nanobrewery is shrouded in a little more mystery. It is commonly thought that a nanobrewery is defined as a brewery that produces no more than 3 barrels of beer in one batch. A brand new New Hampshire law has added more structure to what a nanobrewery is though, defining them as breweries that produce less than 2,000 barrels annually.

「ナノブルワリーとは1回の仕込みがたったの3バレルの醸造所と定義される」とあり、極めて小さな規模のようです。
さて、ポイントは最初の一文と第二文目の冒頭。「ナノブルワリーの定義は謎に包まれている。一般的にはこう思われていることなのだが」で始まっています。法的に定められた何かがあるわけでは無く、結構曖昧な形で使われてるようです。その根拠として、ニューハンプシャー州の新しい法律「年間生産量2000バレル以下」という要件を挙げています。

まだまだ勉強不足で予想の範疇を出ないのですが、法律上”small brew act”などの生産量要件に関係ないサイズなので記述なくなった、もしくは詳述する必要が無くなったのではないか?と私は考えました。(”small brew act”やそれに付属する話は非常に長くなるので今回は割愛します。)何かの折にこちらについては別途書きたいと思います。

とりあえず、ナノブルワリー(nanobrewery)という言葉には各地でその定義が色々とあるようで、法律用語としての唯一無二の定義は無く、「醸造所の規模が非常に小さい事を強調する為の一般的用語」と捉えておけば実際の運用上は問題無さそうです。

上記のwikipediaにも引用されているThe Food Sectionの2010年の記事も非常によくまとまっているので、詳しく知りたい方は是非読んでみてください。また、別の方のもう少し突っ込んだ見解もありますので、こちらも参考に。ちなみに、「ナノ(nano)」と同じような意味で「pico(ピコ)」を使う人もいます。

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