パブでモヤモヤしたので改めて「表記/液量問題」について考えた

先日、パブのカウンターで飲んでいた時のことです。これまでも結構考えてきたのですが、またこの問題が私の中で再燃してきたので綴っておこうと思います。きっと皆様にも似たような経験があると思うのでご意見頂ければ幸いです。

カウンターの椅子に座るとお店のスタッフからメニューを渡されました。そこにはビールが色々と書いてあって、それぞれパイントとレギュラーという2種類のサイズがあります。パイントもUSなのかUKなのかはっきりしないけれど、まぁ今時ならUSだろうと思うし、そこはそれほど気にはならない。問題は後者。このレギュラーってのが非常に厄介なのですよね。お店によって大分量が違う。16ozのパイントに対して半分の8ozのこともあるし、10ozや12ozのこともある。ちょっと度数高めのヴァイツェンボックが気になっていたので少なめでいいかなと思い、「レギュラーは何mlですか?」と尋ねました。すると、「300mlです」と返答があった。それくらいなら問題ないだろうと私はレギュラーサイズで注文しました。

で、出てきたものは10ozタンブラーに入ったビール。しかし、泡が相当あって200mlはあるだろうけれど、250mlは入っていない。まぁ、ヴァイツェンだし泡もないといけないよな、やっぱり。そんなことを思いながらまずはその一杯を飲み干しました。で、もう一杯飲もうとIPAを、今度はパイントで注文。

すると、16ozのパイントグラスに指2〜3本分の泡が乗ったIPAが出てきました。家飲みでもよく使っている、ごく普通のパイントグラスでしたから恐らく液量は350ml強といったところでしょうか。間違いなく400mlは入っていない。んー、なんだろうなぁ、この違和感というか、なんというか。非常にモヤモヤするわけなのです。まぁ、確かにパイントグラスを使ってるし16oz注ぐとは書いてないもんな、でもさ、って話はしたくなるのです。

色んなところを飲み歩いていて思うに、パブにおける「表記/液量問題」というものがあるだろうと考えています。メニューに表記されているのは使用するグラスの大きさなのか、それとも実際に提供される液量なのかはっきりしないことが非常に多い。私のようにある程度パブで飲み慣れている人間でも判断しかねることは多く、今回の例のように「随分少ないなぁ」と感じることもままあるものです。良い状態のビールが美味しく提供されていてもメニューに表記されている価格と量が実物と釣り合っていないと思われてしまえばお店にとってはマイナスになってしまうのではないだろうか。

せこい話だなぁ、その辺りはなんとなくでいいじゃん

という意見もあろうかと思うわけです。飲み屋でのことですから、臨機応変かつ柔軟に対処することも不可能ではないでしょう。お酒に遊びの部分が無くなったらつまらないですからね。けれども、遊んじゃいけない部分もある。

私が液量についてこだわって話をしているのかと言うと、クラフトビールがもっと流行って欲しいからです。今まで飲んだことがなく、これから初めて試す若い方たちがまだまだたくさんいらっしゃいます。決して安いとは言えない価格のクラフトビールですから、味は良いし面白いけれどなんだかちょっとボッタクられた感じがしてしまったらもう一度飲もう、またこのお店に来ようという気持ちが萎えてしまう。それはお店が信用を失うだけでなく、クラフトビール自体へのマイナスイメージを作ることにも繋がり、結果としてシーンにとって損失となります。本質とは無関係な部分でクラフトビールが嫌われてしまうのは何としても避けたいと思うのです。

パイントと書いてあってもグラスのふちギリギリまで注ぐことは実質的に不可能です。16ozのグラスに16oz入れられないのだからやはりメニューでは実際の液量で表示してくれた方が誠実で親切だと私は考えています。もちろん許容範囲というものがあるけれど、それは飲み手それぞれが考えることで提供側がコントロール出来ません。ですから、たとえば「パイント(実質400ml)」とか、シンプルに「400ml」という風に書いあれば特段問題にはならないでしょう。ちょっとしたことなのですが、こういう部分でお店と飲み手の間に齟齬が起こらないようにしてビールそれ自体にもっとフォーカス出来るようにしてもらえたら嬉しいなぁと思う今日このごろです。