2025年の第2回読書会で読んだもの 振り返りと次回開催について

2月23日に本年第2回目のクラフトビール文献読書会を開催しました。今年から2部制とし、2時間の枠を2つ設けて議論することとしていますが、今回は例外的に形を変えて行いました。

日本国内でリアルエールがまとめて飲める機会は非常に少ないので、東京・両国の麦酒倶楽部ポパイさんで行われたカスクコンディションフェスティバルに参加することにしました。

せっかくカスクコンディションのビールを飲むので、それがどういうものであり、どう作られるのかなどをCAMRAの記述を中心に各種文献に当たって勉強しました。使用したテクストは以下。

CAMRA WhoWe Are
CAMRA What is Live Beer?
CAMRA What is Cask-conditioned ale?
Zythophile How old is the term of “session beer”?
CBBM  The Oxford Companion to Beer definition of real ale
CRAFT DRINKS  文脈で読み解くビール考02/美味しくないのは自分のせい

イギリスのパブ文化をたった2時間で語り尽くすことは到底不可能なのですが、リアルエールの位置付けについて多少なりともイメージを持てたのではないかと思います。現代的なアメリカンクラフトビールの文化と比較すると、長時間・大量・低ABV、そして終わらない日常性を前提とする「セッション」という概念は今改めて検討するに値するものです。アメリカに典型的な、製法や度数などで合理的に記述されるものだけでなく、人間の振る舞い、生活の様式にまでその射程は広がっていきます。ビールをただビールとして見るだけでは分からないことがたくさんあるのだということを痛感するのでした。

勉強の後は答え合わせに。私個人はフックノートンのベストビターが気に入りました。これならばたくさん飲めるに違いない。

 

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さて、次回読書会についてです。3月29日にいつも通り東京・北千住の会議室で行います。第1部はその場で文章を読んで議論する会です。手ぶらでいらしてください。日本におけるビール消費の様式(スタイル)に関する文章を読みたいと思います。

続いて第2部です。第2部は事前に指定された文章を読んできて頂き、それを元に議論をしていきます。今回はクラフトビールを美味しく飲むためにはどのように管理したら良いのかを考えるべく、アメリカのBrewers Associationが発表した “高品質クラフトビールのためのベストプラクティスガイドを課題図書とします。ビールはどのような条件で劣化(本来は老化というべきだと思うけれど、課題図書で劣化という語句を使っているのでここでもそうしておきます)するのかを知り、実際に飲んだ経験とすり合わせることで良いビール、良いビールの状態について理解を深めていきたいと考えています。上記の課題図書を読み、①ブルワリー、配送業者、酒販店、パブでの取り扱いについてそれぞれまとめて発表し、①を踏まえて自宅までの最適な保管方法および流通システムを考えて発表してください。次回以降、これを下敷きにDraught Beer Quality Manualなども読めたら嬉しいな、と思っております。

なお、参加申し込みはフォームからお願い致します。皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。

弊会の活動報告書第3号がもうすぐ完成します。3月15日に開催されるめしけっとにて発表を予定しておりますが、CRAFT DRINKSの本屋でも取り扱いますのでご興味ある方は是非。既刊の1号、2号も合わせてお読みくださいませ。